モンテッソーリ国際学園のバイリンガル教育
日本語を保持しながら英語環境への準備
日本語と英語の教師がそれぞれの第一言語(ネイティブの言語)を使って子どもたちに接することにより、子どもたちは会話する相手に合わせて言語を使い分けることを練習します。アメリカ人の先生は英語のみ、日本人の先生は日本語のみを使い子どもと接します。これは、アメリカで生活する私たちが日常生活で言語を使い分けながら話すのと同じ方法であり、また、家庭でも子どもがお父さんとお母さんで言語を使い分ける(例えばアメリカ人のお父さんには英語を、そして日本人のお母さんには日本語を使うなど)という環境にも似ています。
また、モンテッソーリの活動の中でも、子どもたちは仕事を通して両方の言語を体験します。例えば”豆のあけ移し”の活動では、日本語で「こちらにあけ移す」「入れ物」「豆」「コメ」「もう一度やってみる?」「片付ける」という言葉を使います。まったく同じ活動を、英語の先生と一緒に行うと、「pour this to the other」「bowl」「beans」「rice」「would you like to do it again?」「Clean up」という言葉を聞くことになります。このように日本語で理解していることを同様に英語で耳にする時、子どもたちは言語の持つ意味をより深く理解することになるでしょう。
ほとんどの子どもたちは、キンダーガーテンや小学生になるとアメリカの現地校で英語による授業を受けます。英語教育は後に必須となるのです。当園のバイリンガル教育の目的は、小学校への移行の時期にスムーズに移行できる様にするために行なっています。
しかし、日本語の保持は私たちにとってとても重要です。モンテッソーリ国際学園では、2歳から3歳のプログラムでは日本語のみを使い、しっかりと母国語である日本語を定着させ言語の基礎作りをしっかりと行うことに努めています。母国語の確立は、その後の第2言語を習う上でとても重要であるという研究もされているためです。そのため、モンテッソーリ国際学園のバイリンガル教育は3歳から6歳の環境の中で行われます。当園の目指すバイリンガルの環境は、子どもたちが無理なく、楽しく言語を習得できる環境です。
また、言語のカリキュラムは子どもたち一人ひとり、また個々の家庭や家族構成など状況に配慮し構成されています。例えば、英語よりも日本語に触れることが必要な場合は、日本人の先生との会話や活動を増やすなどそれぞれのニーズに対応しています。そして何より大切なのは、子どもの興味が言語の壁により、打ち崩されることがないように、導くことだと考えています。
最新のリサーチによると、バイリンガル教育で育つ子どもたちがあらゆる面で優れていることが分かってきました。バイリンガル教育とは、双方の言語のみでなく文化も一緒に学ぶことです。双方の文化を理解することで、コミュニケーション能力が更に培われていきます。